維新派
プロフィール
維新派は1970年に日本維新派として大阪で結成されて以来、主宰の松本雄吉を軸として常に<演劇>という枠では語りきれない演劇的活動を続けてきた集団です。野外に自らの手で建築する劇場、数々の映画の美術監督として知られる林田裕至による圧倒的な美術、ヂャンヂャン☆オペラと名付けた関西弁のイントネーションを生かした変拍子のリズムを駆使した台詞、インプロヴィゼーションユニット「アルタード・ステイツ」を率いて世界でも評価の高い内橋和久の音楽というすべての要素をディレクションし、演劇の総合芸術性を体現する舞台が生み出されます。
維新派公式ページより(2001年)
1970年の結成より29年の歴史を持つ、日本を代表する野外劇団。大掛かりな美術セットと「ヂャンヂャン☆オペラ」と名付けた、関西弁のリズムをセリフに活かした独自のスタイルで人々を魅了し続ける。97年公演の『南風』では中上健次の作品に挑み、熊野の自然と少年の姿を見事に描いた。そして今年は、ここ大斎原での特別公演を先駆けとし、秋には大阪・南港において、本公演「ヂャンヂャン☆オペラ『水街』」を行なう。この公演は2000年3月に、世界三大芸術祭に数えられている“オーストラリア・アデレード・フェスティバル”に招待されることが決定した。維新派は新世紀に向け、この南紀熊野体験博の公演を足掛かりに世界を代表する野外劇団へと羽ばたくだろう。
『麦藁少年』(1999年)チラシより
劇団日本維新派
1970年に関西を中心にして活動する美術家・小説家・俳優等により結成された。関西に於ける実験的演劇の担い手として活躍している。
野外に劇団員自らの手による「劇場」を建て、風景を巻き添えにした超演劇的空間を展開。松本雄吉のその劇場論は、日本の演劇界で最も際立っている。
また、『歩行劇団』の異名をとり、Walking Projectと題し、毎月一回、日本各地を歩き回っている。
番外公演『少年ノ玉』(1987)公演時のビラより
関連書籍
書籍『維新派大全』
詳細は書籍『維新派大全』ページへ。
テキスト
日本での維新派の評価は低すぎると思う。
そのうちに世界の方がそっとしておいてくれなくなる。
吉本ばなな・作家(書籍『維新派大全』帯より)
日本の演劇界では類似するものがない松本雄吉と維新派は、
むしろ世界の前衛演劇史の世界に、
ウィルトン、カントールといった精神的兄弟を見つけることができるのだ。
扇田昭彦・演劇評論家(書籍『維新派大全』帯より)
美術の林田が作り上げた維新派の舞台は、どんな映画のセットより豪華なオープンセットで、その中で映画を撮っていると、自分がその街に棲んでいるような白昼夢に包まれ、僕は松本雄吉が創り出した「実存する夢」の中に遊んだ。
林海象・映画監督(書籍『維新派大全』帯より)
維新派CD『BABEL』にうにたもみいち氏によるライナーノーツあり。
メモ
- 1970年11月に「劇団日本維新派」という名前で結成。
- 1987年、現在の「維新派」に改名。
- 1987年10月『少年ノ玉』にて少年王者舘と合同公演(この頃現在の「ヂャンヂャン☆オペラ」の原形が出来る)。
関連映画
- 『足の裏から冥王まで』(1979年/監督:井筒和生)-日本維新派『足の裏から冥王まで』(1978)
- 『阿呆船 さかしまの巡礼』(1992年/監督:康浩郎)-日本維新派『月光のシャドウボール』(1984)
- 『蜃気楼劇場』(1993/監督:杉本信昭)-維新派『少年街』(1991)
リンク
- 松本雄吉
- 番外公演『少年ノ玉』(1987)
- CD『BABEL / 維新派』(1995)
- 書籍『維新派大全』(1998-04)
- 少年王者舘
- 維新派『カンカラ』(2002-07)
- 維新派(公式)
- STUDIO DELTA(スタジオデルタ)
- UCHIHASHI's WORK(内橋和久)
- 高校生のための演劇講習会 維新派ワークショップ(1998-08-04 写真多数掲載)
- 111.tv(ビデオ『蜃気楼劇場』のネット配信)
- 維新派を貫く「縦の力」と眩暈(宮台真司氏によるMessage from ミヤダイ2003-09-04)
更新履歴
- 2000-05-23
- 2002-01-23:officek.jpへ移転。整理。
- 2002-01-24:「少年ノ玉」からのTEXTを追加。
- 2002-01-27:『維新派大全』関係情報を追加。
- 2002-01-27:『BABEL』へのリンク追加。
- 2002-02-06:111.tv『蜃気楼劇場』へのリンク追加。
- 2002-02-08:映画カテゴリ追加。
- 2003-01-17:『カンカラ』へのリンク追加。
- 2003-05-09:Message from ミヤダイ2003-09-04へのリンク追加。