動画とか映像を編集したり変換したりしようとすると出てくるフォーマット関係の名前を自分用にまとめてみる。
なるべくざっくりと。
なので、正確性に欠くところがあるかも。
情報源は基本的にWikipedia。
まとめていて分かったけど、「コーデック」と「コンテナ」をきちんと理解すれば良さそう。
映像や音声を圧縮する方式が「コーデック」。
そうして用意された映像や音声やその他画像等をまとめるのが「コンテナ」。
QuickTimeのMOV(.mov)とか、WindowsのAVI(.avi)というのは「コンテナ」。
MP3とかAACというのは音声コーデックだし、H.264は映像コーデック。
なので、「H.264とAVIって、どっちがいいの?」みたいな質問はおかしい。
何はともあれ、「MPEG」の流れから始めて、その後は個人的にメモしておきたい事柄を適当にまとめてみる。
MPEG
団体名。
Moving Picture Experts Groupの略で、ビデオとかそういうものの標準規格とかを作っているところ。
MPEG-1
MPEG(という団体)による最初のビデオ/オーディオ規格。
CD1枚に1時間程度の動画を記録するために提案された。
「ビデオCD」に使われている。
MPEG-1の音声規格にLayer 1、Layer 2、Layer 3があって、それぞれがMP1、MP2、MP3。
MP3は、オーディオファイルフォーマットとして今でもよく使われているあの「MP3」。
「ビデオCD」に使われているのはMP2。
MPEG-2
DVDビデオ(DVD-Video)に使われているやつ。
元は、テレビ放送やHDTVを想定して作られたビデオ/オーディオ規格。
そこから少し修正されて、DVDビデオ(DVD-Video)に使われることに。
拡張子は、.m2pが使われることが多い。
MPEG-3
ない。
HDTV向けに策定される予定だったけど、MPEG-2に吸収された。
MPEG-4
規格が広範におよぶので、理解がやっかい。
パート(Part)ごとに分かれていて、
- MPEG-4 Part 1 → システムの規定
- MPEG-4 Part 2 → 動画の規定
- MPEG-4 Part 3 → 音響の規定
といった感じで、いろんな規格が順に決まっている(Part 23くらいまである)。
通常、「MPEG-4ビデオ」とか「MPEG-4動画」といった場合、MPEG-4 Part 2を指すみたい。
H.264、MPEG-4 AVC、H.264/AVC、MPEG-4 AVC/H.264、H.264/MPEG-4 AVC
MPEG-4 Part 10のこと。
動画部分だけの規格。
MPEG-4 Part 2で規格範囲が拡散しすぎたために、「動画圧縮効率を追求する」という方針で開発された規格。
ITU(国際電気通信連合)ではH.26L、MPEG団体ではAVCと呼ばれた。
AVCは、Advanced Video Codingの略。
AVCHD(デジタルビデオカメラ)で使われている。
Blu-ray Discでも採用されている。
MP4
MPEG-4 Part 14のこと。
MPEG-4のビデオ/オーディオの記録に用いられるファイルフォーマット。
コンテナ。
- ビデオ:MPEG-1、MPEG-2、MPEG-4、MPEG-4 AVC
- オーディオ:AAC、HE-AAC、AC-3、MP3、MP2、MP1、Apple Lossless、TwinVQ、CELP
- 静止画:PNG、JPEG
- テキスト
を格納できる。
拡張子は、主に.mp4。
他に.m4v、.m4aもある。
.m4rは、iPhone用の着信メロディで使われている拡張子で、中身はMP4オーディオ。
ちなみに、MP3(.mp3)とは関係ない。
3GPP/3GPP2
第三世代携帯電話(3G)で使われるファイルフォーマット、コンテナ。
ベースは、上記のMP4で、これに独自拡張を加えたもの。
3GPPの拡張子は.3gp、3GPP2の拡張子は.3g2。
DVD-Video
映画等が収録されて販売されている普通のあのDVD。
動画はMPEG-2ビデオ、音声はPCMやドルビーデジタル(AC-3)、MP2等いろいろ。
NTSCの場合720×480、PALの場合720x576。
アスペクト比は4:3か16:9で固定。
DV(DV圧縮)
デジタルビデオでテープ記録時に使われる。
動画の圧縮率は1/5程度と低いけれど、その分編集が容易。
音声は、非圧縮のリニアPCM方式(サンプリング周波数は48/44.1/32kHzの3種類)。
HDV
DVのハイビジョン(HD)版。
映像圧縮はMPEG-2、音声圧縮はMP2(MPEG-1 Audio Layer 2)。
以下の2つの規格がある。
- HDV 1080i(1440×1080)
- HDV 720p(1280×720)
iはインターレース、pはプログレッシブ。
DVCPRO
DV規格を元にした、放送業務用デジタルビデオ規格のひとつ。
AVCHD
ハイビジョン映像をビデオカメラで記録するための規格のひとつ。
映像にH.264/MPEG-4 AVC方式、音声にドルビーデジタル(AC-3)方式。
ハイビジョン以外に従来の標準方式である480/60iもサポート。
圧縮率が高く、そのままではノンリニア編集が困難なので、例えばアップル社Final CutではProRes 422を生成して編集を行う。
BD-Video(Blu-ray Disc)
映像コーデック: MPEG-2、MPEG-4 AVC/H.264、VC-1
音声コーデック: PCM、ドルビーデジタル(AC-3)、DTSなど
HDTV/ハイビジョン
「ハイビジョン」はNHKの商標で、日本におけるHDTVの愛称。
それまでのSDTVに比べてだいたい2倍程度の走査線を持つものをHDと呼ぶ。
アスペクト比は、16:9。
「720p60」というと1280×720ピクセルでプログレッシブで60フレーム/秒。
「1080i50」だと1920×1080ピクセルでインターレースで50フレーム/秒。
QuickTime
アップルによる音楽、動画、画像、テキスト等あれこれ扱う「技術」。
QuickTimeフォーマットといった場合、コンテナとして理解。
QuickTimeの標準コンテナとしては、MOV(拡張子.mov)。
格納できるものは、やたらめったらたくさん。
AVI
Windowsでの動画用コンテナフォーマット。
拡張子は.avi。
中身はいろいろ。
ASF
マイクロソフト社によるAVIの後継コンテナフォーマット。
拡張子は、.asf、.asx、.wmv(WMVを含む)、.wma(WMAを含む)等。
- ビデオ:MS-MPEG4、ISO MPEG-4、WMV7、WMV8、WMV9
- オーディオ:WMA9、G.726、LPCM、MP3
MS-MPEG4、WMV7、WMV8、WMV9、VC-1
マイクロソフト社がMPEG-4をベースに独自開発した動画コーデック。
MS-MPEG4→WMV7→WMV8→WMV9→VC-1と発展してきた。
Flash Video(.flv)
アドビシステムズによる動画用のコンテナフォーマット。
ビデオ形式は、Sorenson Spark (H.263派生)、ScreenVideo、On2 VP6、On2 VP6 with alpha channnel、ScreenVideo v2、H.264/AVC。
オーディオ形式は、PCM、ADPCM、MP3、Nellymoser、AAC、Speex。
Motion JPEG
JPEG画像を連続させた動画。
MOVやAVIのコンテナが使われる。
DivX
DivX, Inc.という会社がMPEG-4技術をベースに独自に開発したビデオコーデック。
基本的にAVI、ASF、OGM、MOV、MP4などの各種コンテナフォーマットに格納することができる。
Xvid(旧XviD)
オープンソースで開発されているフリーのビデオコーデック。
MPEG-4 ASPに準拠。
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