森卓也氏による『アニメーションのギャグ世界』が復刊されていました。
2009-04-27
内容紹介
ミステリマガジンの連載をまとめ、1978年に奇想天外社から発売された森卓也著『アニメーションのギャグ世界』を、書き下ろしエッセイ、オリジナル「トムとジェリー」全作品解説、単行本未収録アニメーション評論などを追加収録して復刻しました。1920 年代のベティ・ブープやポパイから、トムとジェリー、バックス・バニー、ポーキー・ピッグとダフィ・ダック、ウッディ・ウッドペッカー、ピンクパンサー、ピクサー作品、ウォレスとグルミット、そして2008年のポニョまで、短編・長編の“漫画映画”の魅力を紹介する内容になってます。
その歴史から作家やギャグの解説まで、カートゥーンについてここまで詳しく読める本は他にありません!
「人形アニメーション合作史」の章では人気の『ピーター・コットンテール』や『ルドルフ』などの誕生秘話を知ることができます。
手塚治虫に“アニメの生き字引”と称された著者の記憶力、深い知識に基づくアニメーション評論は他に類のないもので、アニメ・映画ファン、アニメーターを志す若者の“バイブル”となる一冊です。
森卓也さんは、日本のオタクとかマニアの祖みたいな人。
10代の頃だったか、今池シネマテークにテックス・エイブリー(テックス・アヴェリー)の作品を観に行った時だったかなあ。
テックス・エイブリーは、「トムとジェリーの真ん中のやつ」の監督。
それとも、サイレント・ムービー特集みたいなやつだったかなあ。
とにかく、その上映が森さんの解説付きで。
曰く、サイレントの時代にドタバタコメディがあったと。
マルクス兄弟、キートン、チャップリン、ロイド、ローレル&ハーディ…。
そして、トーキーの時代となり、これらのスラップスティック・コメディは次第に姿を消していく。
ビルを登ったり、列車の上でドタバタしたりというのが、サイレントの時代は笑えたけど、それらに音が入ると、ちょいとリアル過ぎて笑えなくなったしまった、と。
それで、このスラップスティックの系譜が途絶えてしまったのかというとそうではなくて、アニメーションの世界に受け継がれた、と。
トムとジェリー、テックス・エイブリー、ハンナ=バーベラ、ルーニー・チューンズ、ロードランナー…。
もう20年くらい前の記憶なので曖昧だけど、確かそんなような話でした。
その後もたまに森さんの名前を拝見して、具体的には覚えてないながら、とにかく森さんの名前が入っている企画であれば間違いないな、と思うように。
検索したら、似たような話が出てきた。
→映画、そして落語 森卓也 著 ワイズ出版
映画、アニメ、演芸等、「面白そうなモノ」について森氏が書いた文章に、つまらなかったものはない。
今回の復刊本を紹介したページによると、新たにピクサー等のアニメも取り上げられてるらしい。
→「定本 アニメーションのギャグ世界」森卓也 - たまとわ (because the characters lack depth)
原著が刊行された後の文章も収録されている。大部分はパンフレットや「キネマ旬報」に掲載されたものだが、新たに「ベルヴィルランデブー」の長い評が書き下ろされているのはうれしい。ほかに取り上げられているのは、ピクサー、ニック・パーク、そして宮崎駿などで、ドリームワークスが出てこないのは、現在の著者の「見識」ということだろうか。
「ベルヴィル・ランデブー」って、この前アタシが深夜に偶然テレビ放映しているのを観て、思わずここで紹介したやつだ(したよね?)。
おおー、間違ってなかった。
あーもー、DVD、買っちゃおうかなあ。
ついでに。
トムとジェリーのテーマ曲は、三木鶏郎作。
以下のCDに、それを含めてみっちり32曲入ってます。
アタシの愛聴盤。
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