庭劇団ペニノ「ダークマスター」@こまばアゴラ劇場にイッテキマシタ(2006-01-18)。
こらない: 庭劇団ペニノ『ダークマスター』で引用した「必見のものすごい作品」という文句にひかれて、初の庭劇団ペニノ作品。
過去の歴史も、主宰の人も、全然知らないです。
「伝説になるだろう」とも書かれていて、そして今「えんげきのぺーじ」の一行レビューを見ても「傑作」「天才」という高評価がずらり。
けど、アタシにはいまいちでした。
しょぼい定食屋(洋食屋)。
リストラにあった男性が立ち寄る。
マスターに「お前、この店にマスターになれ」と言われ、マスターになることに。
「大丈夫、料理の作り方なんかの指示はこのイヤホンを通して出してやるから」。
観客にはFMラジオが渡されていて、その「指示」を聞くことになる。
「そこで塩をかけて、違うそれじゃない、その右のやつ、そうそれだ。バカ! かけ過ぎだよ」といった内容。
ちなみに、調理は実際に行なわれていて、会場中にいい匂いが立ちこめる。
その洋食屋に次々に訪れる客も、本当にその料理を食べている。
見てるだけでお腹のすく芝居。
入り口から入ってきた洋食屋の客は、清算した後、なぜかトイレに消えていき出てこない。
そして、なんだか影のある洋食屋の夫人(?)。
2階から指示を出し続ける元マスターは「絶対に2階に上がってくるんじゃねえぞ」。
そういったいくつもの謎をこれ見よがしに提示しつつ、ラスト、それまで見えなかった2階の部分に照明があたり、2階の様子が現れる(つまり舞台セットは2階立てだった、ということにその時気付く)。
2階には、1階のセットとまるっきり同じものが。
それには確かにびっくりしたんだけど、意味が分からない。
別に意味なんて分からなくもいいんだけど、でも別に面白くない。
いやちょっとは面白いんだけど、あまりにクエスチョンマークで、あまりに突き放されちゃって、わけがわからない。
数々の謎もそのまま。
わけがわからないからダメとか、謎が解かれなかったから腑に落ちないとか、こうあるべきとかそうあるべきとか、別にどうだっていいんだけど、なんか頭のいい人の自慰行為を見せられた感じで、なんだかなー、と思った。
アタシには合わなかった、ということか。
よく書いてるように、アタシは「必然性」ということにこだわるタイプなのだけど、せっかくのFMラジオも、その必然性がよく分からなかった。
同様に、ものすごく手のこんだ「上下(1階2階)まったく同じ舞台セット」(その2階部分がラスト傾いて崩れ落ちる)というのも、よく分からなかった。
ポストトークというのがあり、主宰の人が出てきて司会の人とトーク。
「2階から指示を受けて…」ということに関して、「何か大きなものに操られている」みたいな話で「アメリカ」という単語で出てきてしまい、それだとまたなんか一気に覚めてしまう。
この庭劇団ペニノ、毎回、かなり違った手法の違った形の作品を作っているらしい。
別の作品は、また全然違うのかも。
もう1〜2作品見てみたい、というのはちょっとあります。
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