CD『零式 / 坂本弘道』(1999年/オフノート)
全作詞、演奏: 坂本弘道
Produced by 坂本弘道
Engineered by 小俣佳久
Recorded & Mixed at Toi Studio(Tokyo) & Home(Yokohama)
Mastered by 滝口博達 at JVC Mastering Center
Design 藤原邦久
Jaket art by 天野天街 with 水谷雄司(Mac operater)
Photographs 福田寛、宮坂恵津子、小林アツシ、月又光子、坂本弘道
Illustration 坂本弘道
Notes 桜井大造
Translation 高野秀行、浅野敦則、藍淑人、李閏姫
Adviser 佐竹美智子
Exective Producer 神谷一義
Thanks 月又光子、佐藤研二、三木黄太、鈴木正男(ヴァイオリン工房CATS)、石塚俊明、ロケット・マツ、谷口正明、伊藤善之、岸田浩一、重永明生、たま、山田せつ子+枇杷系、シノラマ、echo-U-nite、CICALA-MVTA、パスカルズ、野戦の月、少年王者舘、MANDA-LA2、Star Pine's Cafe、PlanB、in"F"、シュークラブ、磔磔、たま企画室、快医学の里、地下生活者事務所、MODERN MUSIC(P.S.F RECORDS)、LOVEDELIC、SUPPURATE SYSTEM、山猫印刷所 and other many people...
収録曲
- 真・月魚
- 蒸気歩行
- 薔薇の速度
- 兆し…
- 夢の蹟
- 影踏み
- 空蝉
- 海馬は踊る
- 嵐が丘・零式
- 半分夏生まれた
- ドガ・改
- 蝶と骨と虹と
テキスト
CDより
チェロ、やかん、喉歌、のこぎり、ピアニカ……そしてバイク、出自も属性もちがう多様な音が、思いがけない場所と時間に出逢う。軸となる音源が他を制するというわけではなく、互いに了解し和解しようとするでもなく、それぞれの音は自らの発語の根拠を隠そうとしない。おそらく、坂本弘道の耳というよりは、眼によって、日常から召還させられた音たちは、出自からも属性からも解き放たれて、音のつぶやきそのものとなっている。<音のつぶやき>とは、人間の言葉には翻訳できない何かしらの出来事の証言だとすれば、このアルバムから流れでてくる音が、極めて視覚的であり、知覚的である理由の一つはそこにあるだろう。
もう一つ、録音メモで自身が報告している通り、このアルバムは直截な<痛み>と
同伴して作られている。バランスを失って叩きつけられた2月の地面の寒さと、それに続く激痛が、彼自身に補償を求めたのだろうか。沈黙するチェロを傍らにおいたチェロリスト坂本の際だった集中力がここに凝集している。
桜井大造
「零式」録音メモ(CDより)
2ヶ月前、僕はバイク事故で右の腕と指の骨を折って入院した。
2年間とっちらかっていた録音が、逆にチェロが弾けない状態になって
ある帰結点=「零式」にむかって動きはじめた。
アルバムのすべての曲は僕の身体とチェロを透過して作られているという意味において、
この作品はドキュメンタリーであり、「零式」とはそれでもなおループし続ける
僕自身の「さが」が生み出した一本のフィルムである。
(1999年4月 坂本弘道)
メモ
- オフノートより発売されたCD。
- 1999年6月発売。
- 構想より2年、1999年2月のバイク事故をきっかけにやっとのこと陽の目を見ることなりました。
- 発売前日のパスカルズのライブにて「自分の音が録音されたもので納得のいくものは今までなく、録音したあと聞き返すことはあまりなかったが、このアルバムは何度も聴ける」というようなことを仰ってました。
リンク
画像
動画
更新履歴
- 2000-05-02
- 2002-02-18: officek.jpへ移転。整理。
- 2009-08-08: データ整理。CD発売フライヤ、CD発売記念ライブチラシ掲載。