吸い始めたのは20歳を過ぎてから、だったはず。
それ以来、禁煙期間はなし。
そもそも、やめようと思ったこともなし。
うそ。
できればやめたいな、やめようかな、と思ったことがあった。
そしたらものすごい勢いで禁煙ブームが押し寄せてきて、やめる気がなくなった。
まったくなくなった。
でも、やめたいかやめたくないかと問われればやめたい。
吸ってていいことは特にない。
ないこともないけど。
そんな感じなので、自分の中には「がまんしてやめる」という選択肢はなく、「薬か何かを飲むと、全然タバコを吸いたくなくなって、自然とタバコをやめれる」みたいなことがない限り、吸い続けるかなーと。
そしたら、そんな薬がある、とテレビで。
NHKためしてガッテン、2011年10月26日放送の回。
→感動!禁煙がこんなに超簡単だなんて!SP : ためしてガッテン - NHK
バレニクリン(商品名: チャンピックス)という経口薬。
規定期間飲み続けた人の禁煙成功率は8割だと。
あと、保険も適用されると。
ほう。
タバコを吸うとニコチンの影響でドーパミンが出て「喜ぶ」わけだけど、薬を飲むとニコチンの影響を受け取れないようにする、らしい。
そうするとドーパミンも出ないので、タバコ吸ってもうれしくない、と。
ほほう。
試してみるかー。
そんなわけで、片頭痛のために通っている頭痛外来へ行った際に「禁煙外来、紹介してくだちゃい」と伝え、実際に禁煙外来(卒煙外来)へ通うことになったのでした。
初回診療
お相手いただくのは女医さん。
40分以上もかけていろいろとお話。
喫煙開始年齢や1日の本数などの確認の後、まずは、タバコ依存度のチェック。
朝起きたらすぐに吸うかとか、タバコが原因で何かをあきらめたりすることがあるか、とか。
あるある。
非喫煙者の家に遊びに行くとか、非喫煙者のみの集まりに行くとか。
いくつかの質問が終わり、「結構依存してますねー」と。
そうですかー。
次に、うつっぽくないかのチェック。
薬飲むと、タバコ吸ってたときに比べて「喜び」が少なくなって、気分が下向きになったりもする関係で。
「自分はこの世にいない方がいい、と思うことがある」みたいな質問。
他に一酸化酸素測定なども行い、無事チャンピックス(バレニクリン)の処方が決まり、そこからは薬と薬の飲み方や今後の禁煙スケジュール等の説明。
主な副作用として、
- 吐き気
- 頭痛
- 上腹部痛
- 便秘
- 普段と違う夢をみる
- 不眠
などがある、と。
吐き気は結構あるらしい。
頭痛はそれほどでもないらしい。
「便秘って何?」と思ったら、どうやら、特に女性の喫煙者の中には便秘解消のために吸ってる人が多くいるらしい。
そりゃ知らんかった。
あ、いや、タバコが刺激になって便通、って経験あるな。
そうか。
「普段と違う夢」と「不眠」は、脳に作用する薬だから、と理解。
副作用として「普段と違う夢」が項目として挙げられてるのが面白い。
ひととおりの説明を聞き、禁煙を始める準備はできて、実際に禁煙するつもりでいるのだけど、でも実は自分の中に確固たる決意はそれほど湧いてない。
そんな思いもあってか、訊いてみた。
「世の中には、1日1本だけでOKな人とか、飲み会の時だけ吸うって人とかいますよね。そういう方向ってのは…」
「ないです」
禁煙の失敗は、ほとんどがその「1本だけなら」だということ。
1本吸ったその日のうちに、喫煙者に逆戻りすると。
はははははは、そりゃそうか。
あと、1日に1本程度だけ、って人がいるように見えるけど、そんなことないと。
そういう人もすぐにもっと多い本数を吸いだすと。
うん、そういうことにしておこう。
そうそう。
問診の最初に「あー、頭痛外来にかかってるんですねー」と。
で。
卒煙外来の患者さんで、たいへんな頭痛持ちだった女性がいた、と。
そして、禁煙後、頭痛がものすごく楽になったと。
え、ほんと!?
それだ!
もう、それだけを胸に、がんばろう。
それだけで動機は充分だ。
確認
吸い始めたのは20歳(現在38歳)。
本数は、1日1箱(20本)弱。
というか、だいだいちょうど1時間1本な感じ。
ただ、最近(ここ数ヶ月)は、1時間半に1本くらいに減ってきてる。
ということは、1日12本前後くらいかな。
1日目(土曜日)9本
というわけで、診療も終わり、薬ももらって外へ出るとお昼。
お昼ごはんを食べて、さっそく1錠目。
おおー、ついに禁煙開始だ!
…ってわけでもなくて、最初の3日間はこれまで通りに吸ってよし、らしい。
というわけで、吸う、普通に。
でも、そんなに「吸いたくて吸いたくて吸う」って感じでもない感じ。
薬の影響は、特に感じず。
そんな感じで、1日9本にて1日目終了。
2日目(日曜日)8本
2日目だけど、禁煙開始日ではない。
というわけで、吸いたければ吸う。
昨日よりは吸いたくて吸う感じ。
そうそう、その経口薬、1回1錠1mgのを朝晩の2回飲む。
けど、最初の1週間は、0.5mgのを朝晩2回飲む。
さらに、最初の3日間は、その0.5mgのを1日1回1錠だけ飲む。
というわけで、この3日間は飲んでる量も微妙、ってことになるのかな。
「微」って言っていいのか分からないけど。
なんかちょっと気持ち悪いような気がしたかも知れないけど、それ、薬飲んだあとじゃないしなあ、くらいな感じで体調に変化なし。
薬の影響を感じることもなく、2日目は8本にて終了。
3日目(月曜日)8本
服薬開始後、初出勤。
いつも通りに吸う。
夜、いつもの片頭痛。
片頭痛でのたうちまわってる間はタバコも吸えないため、その分本数が減る。
とはいうものの、全部で8本で、前日と変わらず。
4日目(火曜日)10本
この日から、0.5mg(通常の半分)錠を朝晩2回。
いつも通り普通に吸う。
朝イチ、11:00、昼食後、14:00、15:30、18:30、夕寝後、0:30、1:30、就寝前で、計10本。
5日目(水曜日)6本
最初の3日間は普通に吸っていいけど、今日って5日目じゃん!
あさってには本当の禁煙開始日。
減らしていかないと、いきなりゼロ本はキツいのでは? と気付き、少し注意して6本。
やめること前提で吸ってると、タバコって愛おしいなあ、と思う。
6日目(木曜日)5本
明日が最後の喫煙許可日。
タバコを吸うと、何かしらスッとするというかシャキっとするというか、そんな爽快な表現じゃない気がするけど、とにかく何かしらの影響を感じるのだけど、この日初めてその感覚の「もの足りなさ」を感じた。
「吸ってるのだけど吸ってない感じ」では言い過ぎなのだけど、そういう方向の感じ。
7日目(金曜日)6本
喫煙許可、最終日。
明日から完全禁煙。
吸いながら、「これって、脳(ドーパミン)的な依存だけじゃなくて、このメンソールによるノドの刺激とかへの依存、とかもあるよなあ。これもなくなるんだなあ」と気付き、今さらながら、禁煙厳しそうだなあ、と思う。
あと、「一服」というように、何か一仕事終わってタバコ、っていうクセがついてる。
喫煙者はそれをリズムって言ったりもする。
それがなくなるのも辛そう。
というか、それが辛そう。
それほど我慢することもなく1日5〜6本なら吸い続けててもいいんじゃない?とも思いつつ、でもまあ最後まで「禁煙体験」してみましょう、と決意を新たにしつつ、「そいえば、タバコやめたら頭痛が軽くなる(かも知れない)んだった!」と思い出しつつ、最後の一服。
以上で1週目おしまい。
つづく。
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