飴屋法水(あめやのりみず)氏による「3人いる!」を観に原宿のリトルモア地下へ。
全12日間公演で、役者や舞台装置が毎日違うらしい。
脚本は東京デスロックの多田淳之介氏。
インスパイア元は、萩尾望都『11人いる!』。
以上がアタシが知ってた事前情報。
観に行ったのは、楽日の1日前。
当日券にて入場。
開演したのにすぐ後ろの女子2人組が、すごーく小声ながらもおしゃべりをやめず、どうしてくれようかと思ったら照明の人が「うるさい」と一喝。
ほっ。
出演者は3人。
どうやら、みんな本名での出演らしい。
明転すると、まずはひとりが舞台に。
そこへもうひとり。
どちらも「ここは俺の部屋だ」と主張。
どうやらどちらの主張も正しく、どちらも「私」であるもよう。
ドッペルゲンガー。
さらにもうひとり加わり、「私」が3人になったかと思うと、「私」が2人で「あなた」がひとりだったり、「私」がひとりで「あなた」が2人だったり。
いやでも「私」はさっきから2人なのだけど、相手にはひとりしか見えてなくて、でも観客からはふたりだったりあるいはひとりだったり。
なるほど、これは演劇でしかできない。
演者は3人なわけだけど、結局舞台上には6人いた? いや9人いた?
すごく面白かったのだけど、それは脚本のアイデアに対してかなー。
12日間毎日違うとか、役名=本名とか、おそらく舞台セットや役柄設定も役者の人に合わせてるんじゃないかという部分とか、そういう部分に関しては、例えば飴屋法水氏本人が語っているテキストがあるなら、それを読めればいい、と思ってしまう。
そして「こういうコンセプトがあって、それを本当にやってみた」っていうそれに対して、こちらは「なるほど、ちゃんと確認できました」っていう感想になっちゃいそう。
ただ、結局今回は都合が合わず1回しか見れなかったのだけど、やっぱりちゃんと複数回見たかった、というのはある。
それくらいにはエンタテイメントなのだと思う。
いや、やっぱりすごくアート寄りだなー、みたいなことは思って。
アートとエンタテイメント。
実験とエンタテイメント。
実験の要素とエンタテイメントの要素はアタシにとっては不可欠なのだけど、なおかつそこに「世界」を求めるアタシはちょっと欲張り過ぎ。
コメント