著作物に関するライセンスに関して、いろいろな取り決めや取り組み、仕組みや宣言があるのだけど、あまりよく分かってない。
- クリエイティブ・コモンズ
- コピーレフト
- パブリックドメイン
- GPL
- GFDL(GNU Free Documentation License)
- BSDライセンス
- MITライセンス
- Apacheライセンス
- オープンソース
- フリーソフト
目にしたことのあるものでパッと思いつくのはこれくらいかな。
上記はライセンス形態の種類を挙げたものではなく、アタシが「なんかそれ関係の単語」だと思っているものの一覧で、どの単語がどのレイヤのどういうものを示しているものなのか、よく分かってない。
そんな中、以下のニュース。
Googleの画像検索において、オプションでライセンス形態を指定できるようになった、というもの。
→Google 画像検索、無料で使える画像など絞り込み検索可能に -INTERNET Watch
Googleでは、クリエイティブコモンズライセンスや、GNU Free Documentationライセンス、パブリックドメインなど、さまざまなライセンスを対象に検索を行い、該当する画像を表示するとしている。
実際にGoogle 画像検索の画像検索オプションを見てみたら、「使用権」という欄ができてた。
→Google 画像検索オプション
選択肢は以下の4つ。
- 再使用が許可された画像
- 営利目的での再使用が許可された画像
- 改変後の再使用が許可された画像
- 改変後の営利目的での再使用が許可された画像
なるほど。
ということで、アタシが使ってるFlickrではどうなってるか見てみた。
Flickrでは、以下の中から(個別に)選択できるようになってる。
- None (All rights reserved)
- Attribution-NonCommercial-ShareAlike Creative Commons
- Attribution-NonCommercial Creative Commons
- Attribution-NonCommercial-NoDerivs Creative Commons
- Attribution Creative Commons
- Attribution-ShareAlike Creative Commons
- Attribution-NoDerivs Creative Commons
これを見てもよく分からないのだけど、「クリエイティブコモンズのやり方」でライセンスを明記できるのだな、ということは分かった。
せっかくの機会なので、クリエイティブコモンズのライセンス形態だけは理解してみることにしました。
分かりやすかったのは、結城浩氏による以下のページ。
→クリエイティブ・コモンズのライセンス解説
これを見ると、どうやらクリエイティブコモンズのライセンスには、以下の4つの要素しかない。
- 帰属(Attribution)「使ってもいいけどクレジットを入れてね」
- 非商用(Noncommercial)「使ってもいいけどお金を取っちゃだめ」
- 派生作品の禁止(No Derivative Works)「使ってもいいけど改変しちゃだめ」
- 同様に共有(Share Alike)「使ってもいいけど同じライセンスにしてね」
あとはこの組み合わせ。
なるほど、そんなに難しくない。
これを元に、先のFlickrが用意しているライセンス種を翻訳して並べると、こんな感じ。
- 全ての権利を保持
- 帰属+非商用+同様に共有
- 帰属+非商用
- 帰属+非商用+派生作品の禁止
- 帰属
- 帰属+同様に共有
- 帰属+派生作品の禁止
さらに書き換えると、こんな感じかしら。
- 全ての権利を保持
- 「お金を取らずに、オリジナルと同じライセンスにするなら、連絡なしに使っていいよ。改変もOK。クレジットは入れてね」
- 「お金を取らないなら連絡なしに使っていいよ。その作品には独自のライセンスをつけてもOK。改変もOK。クレジットは入れてね」
- 「お金を取らずに、オリジナルと同じライセンスで、改変をしないのなら、連絡なしに使っていいよ。クレジットは入れてね」
- 「お金を取っても、改変しても、ライセンスを変更してもOK。クレジットは入れてね」
- 「オリジナルと同じライセンスにするなら、お金を取っても、改変してもOK。クレジットは入れてね」
- 「お金を取っても、ライセンスを変更してもいいけど、改変はしないで。クレジットは入れてね」
よし。
とりあえず、クリエイティブコモンズによるライセンス形態は理解した。
これを踏まえた上でアタシがどうしたいか、というと、ええと、適当に撮った花や風景の写真なんかは、自由に使ってもらって構わない。
その写真でカレンダーを作って販売してもらっても構わないし、補正をかけたりトリミングしたりコラージュの素材にしてもらってもいい。
ただね、「使ったよ」っていう連絡が欲しいなーと思った。
当然、「そんな酷い作品なら、使用を許可しません」というチェックをしたいために連絡が欲しいわけではなくって。
だって、自分の撮影した写真が使われたポスターがニューヨークの街中に貼られている、とかだったら、教えて欲しいじゃない。
というわけで、今後はなるべく、クリエイティブコモンズのライセンスを設定して公開していきたいところ(被写体との兼ね合いもあるので、なんでもかんでもとはいかない)。
ちなみに、いろんなウェブサイトの下の方とかになんとなく「Copyright」とか「All rights reserved.」とかって書いてあったりけど、あれ、日本の場合は要らない。
そんなものわざわざ書かなくても、日本の場合は勝手に権利が発生してるはず。
もし、イラストや写真等を勝手に転載されて困っているなら、「転載はできません」とか「転載時には許可を」と明示した方がいいし、そうじゃないなら何も書かなくていい。
というより、上記クリエイティブコモンズのような仕組みを使って「この範囲までなら使っていいですよ」と明記するのが今風なのかも。
追記
もうちょっと書いといた方がいいような気がしてきた。
「Noncommercial(非商用)」というのは、「商用を認めません」という意味ではなく、商用利用したい場合は問い合わせてね、の意味。
それから、「商用でも改変でも何でもOK」にした場合、例えばアタシがヨーロッパ旅行で撮影した写真をすべて「なんでもOK」で公開したとして、そのアタシの写真だけを使って見ず知らずの人が「ヨーロッパ旅行記」な写真集を発行されても(ちゃんとアタシのクレジットが入っていたなら)文句は言えない。
まあ別に文句は言ってもいいけど、そういう条件を明記して公開したのはアタシ、なので。
お気をつけて。
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