こらない

2007-01-30(火)

森博嗣

森博嗣氏の小説はいくつかのシリーズを読了していて、アタシの中では「未読の本をふと見かけたら買って読む」という感じ。
別の言い方をすると「新刊を逐一チェックして、発刊される日を指折り数えて待つ」というほどではない(というか、実のところそういう作家はいない)。

そんなわけで(というつなぎ方はおかしいけど)、小説以外の著作は読んだことがなかった。
それが、昨年の後半あたりから、MORI LOG ACADEMYという森氏による日記を読むようになり、これが面白くていろいろ興味がわいてきた。

そんな折り、本屋で『臨機応答・変問自在—森助教授VS理系大学生 / 森博嗣』という新書を見つけて購入。
これがすこぶる面白かった。

名古屋大学工学部助教授でもある森先生(2005年3月で退職らしい)は、毎回授業の最後に生徒に「質問」を提出させるらしく、その質問をワープロで活字に起こし、すべての質問に答えて次回の授業で配っていたらしい。
この本は、そんな質問(と答え)の中から、面白そうなもの(?)を集めて書籍化したもの。
1つの質問はだいたい2〜3行、それに対する答えも2〜3行と簡潔で、それが延々載っている。

ますます興味がわいたところに、今度は『森博嗣のミステリィ工作室』を入手。
現在、前半のあたりを読んでいるところなのだけど、これもやっぱり面白い。

森さんという人は、あとがきは絶対に書かないし、人に何かを薦めたりということも絶対にしないらしい。
その森さんがこの本の第1部では「森博嗣のルーツ・ミステリィ」として自身が影響を受けたミステリィ本を100冊を挙げている。
そういう際に「星4つ」といった評価も絶対にしないタイプだと思うのだけど、それも行なっている。

今その第1部を読んでいるのだけど、すごいなー、と感心しきり。
1冊につき2ページ(見開き)が割り当てられていて、短い文章で簡潔に語られている。
で、どのページの文章を読んでも「この本、今すぐに読みたい!」と思わされる。
こんな風に文章を書くことが可能なんだなあ。

10代の頃にむさぼるように本を読みあさった、という経験のないアタシは、小説というもの自体、読み始めたのは最近。
なので、作家名を見てもいつの時代の人かも分からないし、代表作/話題作も知らない、というのを何度か書いた。
それでも「表紙が気に入った」とか「タイトルが気に入った」とかで買って読んでみればいい、とも思うのだけど、貧乏性なのかどうか、なるべくハズレを避けたいと思う。

そんな中、上記の100冊(とその紹介)は渡りに舟。
「XXXX(作家名)の作品から1つを選べと言われれば、通常は『○○○』だろうが、ここでは『△△△』を挙げてみた」といった感じで、実際は100冊以上が詰まってる。

というわけで、未読本リストに一気に100冊+αが加わった。
「これから読む本」がきちんと控えてると思うと、なんだか安心。
これで今年1年くらいは、たぶんずっと安心。

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  • update: 2015-06-16

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