『腰痛放浪記 椅子がこわい / 夏樹静子』という本を読み始めた。
腰痛に悩んだ作家の夏樹静子さんの、腰痛が完治するまで(なのかな?)を描いた実話。
いわゆる闘病記なのだけど、最初の数十ページを読んだだけでおかしくて笑ってしまった。
笑ってしまったというのは、夏樹さんの腰痛への接し方が面白おかしいからではない。
めちゃくちゃ真面目で強気に取り組んでいて、それが端から見ていて滑稽なほど。
「腰痛が治るなら…」と何にでも飛びつきすがりつく様は、始めのうちは「本当に痛みを抱えている本人というのは、そういうものだ」と共感したりもするのだけど、しかしまあ、やりもやったり。
「この記録は、もしかしたら私の遺書になるかもしれない」で始まるこの本、ある時期突然始まった腰痛がどれだけ辛いか、書き綴られている。
そして、完治を求めての放浪がスタート。
- まずは整形外科。
- 筋肉弱化ということで鍛えるために水泳。
- 次に「その道ではかなり名の通った方」による鍼灸(しんきゅう・ハリとおキュウ)。
- 「知人の女性」の薦めで低周波。
- 「知る人ぞ知る」というを紹介してもらっての手かざし療法。
- ビタミン注射、牽引、各種鎮痛剤。
- 「遠藤周作氏夫人の腰痛を一回の気功で治した」という気功師による施術。
- 「足の裏にはすべてのツボが集まっている」と足裏治療院。
- 荻窪のアメリカ人によるカイロプラクティック。
- オリジナルの腰痛用の椅子の作成。
- 「騙されたと思ってとにかく試してみませんか」と中国鍼(ばり)。
- 当時の曙関の東洋医学の主治医にしてたいへんな名医だという鍼と気功の先生。
- 自律神経失調症ということで、精神科にて精神安定剤。
- 当時流行していたという野菜スープ。
- 知人が受けている「よく効く」というマッサージ師。
- 腰や背中にテープを貼る療法。
- 熱湯で患部を温める温熱療法。
- 「病気の原因は生体内のプラス電気の過剰な蓄積のため」だと、足の裏に銅板をつけ、コードを庭まで伸ばしアース。
- 凝りをとる体操。
- 編集者による「案外、冷えじゃないんですか?」に従い、自宅内を全面ホットカーペット化。
- ぬるめのお湯に腰まで長時間つかる、ももひきをはいて寝る。
これでも抜き出すにあたって端折ってある。
整形外科など、何件も行っているのだ。
そして、まだ本は最初の数十ページなのだ。
この先、どうなっちゃうんだろう。
作家の知名度とツテの賜物なのか、紹介されて訪れたどの人も「名医(名医中の名医)」なのがまた面白い(全員実名で登場)。
あと、著者は過去に4回の開腹手術を受けているのだけど、西洋系の医者は「完治しているのであれば、何も関係がありません」と言い、東洋系の医者は「それです。それが原因です」と口を揃えるところがおかしい。
さてさて、この先どうなりますことやら。
読了後の感想は、『腰痛は<怒り>である / 長谷川淳史』読了へ。
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