こらない

2004-10-01(金)

本『こつの科学 - 調理の疑問に答える』

初版発行が1971年で、アタシの買った2004年5月15日発行のものは第113版という、驚異的に売れ続けている定番本のようです。

実は以前、『科学的に正しい料理のコツ』という本に飛びついたのですが、これが大失敗(近年まれにみる大失敗!)。
「『なぜ?』がわかれば、作る楽しみもおいしさも100倍!」なんてコピーもついていて、「まさに探していた本だ!」と思ったのですが。

それで飽きもせずまたその手のタイトルの上記の本を買ったわけですが、「まさに探していた」のはこちらだったのでした。

内容は基本的に「常識とされているアレは、どうしてソウするのか」に科学的に答える形。
「とろみをつけるためのかたくり粉をあらかじめ水でといてから使うのはなぜでしょう」とか。
なのですが、まずこの時点でその「常識」が知らないものだったりで「へえ」。
「ダイコンおろしにニンジンを混ぜると、よくないといわれるのはなぜでしょう」とか。

「まあそりゃそうでしょう」というものも多いです。
「揚げ物の際、材料を一度に数多く入れるとうまく揚がらないのはなぜでしょう」の答えが「油の温度が下がるから」とか。

ひとつひとつ、なるほどとためになる記述が多いのだけど、それらを見て思うのが「料理は愛情」みたいな部分。
馳走する相手への人への愛情というより、素材とか大地とかあるいはそれらの作物等を作った人への愛情。
せっかくの恵みである食べ物の味や品質を少しでも無駄にすることなく最大限に引き出そうという先人の知恵が詰まっている感じがしました。

野菜などは押して切り、刺身などは引いて切るのはなぜか、この本の説明を読んで初めてちゃんと分かりました。
あと、包丁の両刃と片刃の違いとか。

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