タイプデザインに造詣の深いfukamidoriさんという方から、下記の記述にいろいろと間違いがあるとの指摘をいただきました。
特に「Futuraにナチスとのつながりがある」、あるいは「そのためユダヤ系企業で使われない」といった言説は間違った噂話で、ドイツ在住の書体デザイナー小林章氏により雑誌「デザインの現場2004年10月号」にて詳細な調査の上、否定されているとのことです。
誤った情報を掲載していたことをお詫びするとともに、fukamidoriさんの了解を得て、指摘していただいたメールの内容を引用する形で訂正されていただきました。ご指摘に感謝いたします。
なお、元々のテキストをこの表示形式で、またfukamidoriさんによるご指摘をこの表示形式で表示しています。
Garamond | ギャラモン | フランス 1520年頃フランスのクロード・ガラモンドが改良を加えたローマン体。 Apple |
カスロン・オールド | 1772年イギリスのウイリアム・カスロンがデザイン。 | |
Universe | ユニバース | オランダ 1957年にスイス人アドリアン・フルティガー(Adrian Frutiger)によってデザインされた。 スイスエアラインズ、ドイツ銀行、三洋電機。 |
Bodoni | ボドニ | イタリア 1790年にイタリアのジャンバティスタ・ボドニ(Giambattista Bodoni, 1740年 - 1813年)が完成させた。 |
Blackletter | ブラックレター | |
Futura | フーツラ | フーツラはナチスが誕生する以前に作られたものであり、ナチスドイツで誕生したという表現は間違いです。日本では、 Futura にナチスのイメージがあると書いている人がいて、間違った情報をばらまいています。これがある種の都市伝説のように広がってしまいました。これは完全に間違いで、「デザインの現場」2004年10月号で小林章氏によって明快に否定されました。ユダヤ系企業では使われない、という事実もありません。 フォルクスワーゲンやルイ・ヴィトン。 |
Times New Roman | 欧米のビジネス文書によく使われる 1930年代にロンドンの新聞Timesのために作られた活字体。 1932年にイギリスのタイムズ紙が新聞用書体として開発したラテン文字のセリフ体書体。 |
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Helvetica | ヘルベチカ | 1957年にMax Miedingerによってデザインされた。ラテン語で「スイス」の意味→ |
Helvetica Neue | さまざまなHelveticaが登場したために1983年に51ウェイトのファミリーとして登場。Neue Helvetica 55 Romanを基準に、数字の一桁目が太さ、二桁目はスタイルを表す。 BMV、ドイツ鉄道、ルフトハンザドイツ航空、インテル |
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Arial | Helveticaのソックリフォント Helveticaを販売する会社に金を払いたくない人がHelveticaそっくりのフォントを作ってArialと名付けた |
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Frutiger | フルティガー | スイス人アドリアン・フルティガー (Adrian Frutiger) によってシャルル・ド・ゴール空港の標識案内看板のためにデザインされたローマ字のサンセリフ体書体。JR東日本の番線 のフォントとして使われている物。 |
Frutiger Next | フルティガー・ネキスト | アドリアン・フルティガー自ら全面改刻したFrutigerのコンピュータ用フォント。“アドリアン・フルティガー自ら全面改刻した”、わけではないはずです。ライノタイプ・ライブラリより発表された、全面改刻・拡張されたFrutiger。 |
Zapfino | ツァッフィーノ | ヘルマン・ツァップによりデザインされ1998年にライノタイプ・ライブラリより発表されたラテン文字のスクリプト(筆記体)書体。 |
Palatino | パラティーノ | ヘルマン・ツァップによってデザインされたラテン文字のセリフ体書体。1950年に発表された。 |
Myriad | ミリアド | Apple、Adobe。 |
Optima | オプティマ | ヘルマン・ツァップによってデザインされたローマ字のサンセリフ体書体。 |
Optima nova | これも、ライノタイプ・ライブラリより発表された、全面改刻・拡張されたOptima |
参考
下記は、元の(指摘を頂く前の)テキストを作成する際に参考にしたページです。今回の指摘と相容れない記述があるのでご注意を。