2006-08-02 (水)
2006年6〜7月くらいに読んだ本(8冊)
宝島社文庫『逃亡作法 / 東山彰良』
第1回「このミステリーがすごい!」で、大賞と読者賞をダブル受賞した問題作、らしい。
「日本作家でこれだけの迫力と卓抜したセンスを持った書き手が現れるとは思ってもみなかった」と選考委員も驚嘆! との煽り文句に煽られて。
近未来の刑務所からの脱獄。
囚人はチップを埋め込まれてて、上手に逃げ切らないと、目ん玉が飛び出ちゃう。
逃げ出した囚人は、「冤罪」や「仕方なく犯した犯罪」なんかじゃなく、まんま「悪党」「チンピラ」。
最近、あれしちゃいけない、これしちゃいけないっていう「いい子たちの世の中」にほとほと嫌気がさしてるアタシには、たいへん良いストレス解消になりました。
講談社文庫『殺人方程式 / 綾辻行人』
「真っ向勝負で読者に挑戦する、本格ミステリの会心作!」と裏表紙にあり。
何が真っ向勝負かと思ったら、つまり、ある時点で「謎を解く鍵」は読者に対してすべて開示される、と。
あの時あの人はあそこにいた。
犯行時間にここを通ったのはひとりだけ。
どうやって遺体を運んだのか。
といったことを、提示された条件から、解く、と。
まさか犯人が、女子高生の三智子だとは、全然気付きませんでした(うそよ。こうやってボーンと犯人を書いてみたい衝動がたまに…)。
角川文庫『ブレイブ・ストーリー(上)(中)(下) / 宮部みゆき』
宮部さんによる冒険ファンタジー。
上・中・下の3冊。
アタシはもう宮部さんのことを好きになっているので、いいとか悪いとか好きとか嫌いといった感想はないのです。
その年齢相応の問題を抱えた少年がファンタジーの世界へ旅立ち、成長して帰ってくる、という王道ストーリを宮部さんが書くとどうなるか。
小学館文庫『千里眼 マジシャンの少女 / 松岡圭祐』
逆にこの人の作品はやっぱり嫌いー。
嫌い嫌いと言いつつ、何冊目でしょう。
車のうんちくや香水の名前が小説の中にさらっと出てくるのなんて別に珍しくないし、そんなところでひっかかったりしないのだけど、この人の本の中にそういう記述が出てくると、いちいち鼻につく。
光文社文庫『殺人現場は雲の上 / 東野圭吾』
講談社文庫『宿命 / 東野圭吾』
ん、なんか変わった。
うまく言えないし、偉そうなことも書けないのだけど、これまで読んだ作品に比べて、ぐっと増したような気がする。
厚みが? 深さが? 重さが? 何かそういうものが。
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