2006-07-25 (火)
NHK ETV特集「ある人間(アイヌ)からの問いかけ〜萱野茂のメッセージ〜」
アイヌ関係のさまざまな本を出版されてきた萱野茂さんという方が、今年2006年5月に79歳で死去。
その関係で放映されたNHKのETV特集「ある人間(アイヌ)からの問いかけ〜萱野茂のメッセージ〜」を見ました。
アイヌ、アイヌ民族、あるいはカムイ、コタンという言葉だけは知っていながらも、あまりに自分が何も知らなくて、驚くことがたくさんでした。
現在の北海道(あるいはそれ以外の場所にも)に暮らしていたアイヌの人々。
明治初期に制定された「北海道旧土人保護法」。
その前からすでに、鹿を獲ることは禁じられ、そして主食である鮭の漁も禁じられる。
「土人」なる言葉が使われているこの北海道旧土人保護法、廃止されたのは1997年。
そして、アイヌが先住民族である、と国に認められたのも、1997年のこと。
北海道旧土人保護法により、沙流川(さるがわ)という暴れ川流域の二風谷(にぶだに)に集められたアイヌの人々。
昭和に入り、今度はその沙流川にダムの建設。
裁判で争い、最終的には国により「ダムは違法」と勝訴を勝ち取るも、争っているうちにダムは完成。
戦後の高度経済成長での北海道の観光ブーム。
金のために、「観光アイヌ」をやらざるを得ないアイヌの人々。
年に1〜2回の神聖な儀式であるはずの、イヨマンテ(イオマンテ)と呼ばれる熊送りは、観光客相手に毎日行なわれるように。
研究家により持ちだれる民具やお祈りの道具。
言葉を奪われ、名前を奪われ、文化を奪われ、日本人への同化を強制され、さらに差別を受ける。
アイヌ語を話す3人の老人、「この3人の中で、いちばん先に死ねたら幸せだ」。
アイヌ式の葬式を出してもらえるから。
カナダやスウェーデン等、各国の少数民族は、狩りや漁を認められている。
「アイヌはそういうのはゼロです」。
「私たちは、この大きな島を、日本に売った覚えも貸した覚えもありません」。
アタシらが、明日どこかの国に攻め込まれて、自分たちが「少数」になり、名前も言葉もその国のものにするように強制されたとしたら。
いや、そんな大きな仮定なんかしなくても、アタシらは日々どんどん日本の文化を取り返しのつかない形で捨て去っていってるわけだけど。
萱野茂さんの著書で、文庫/新書で手に入れやすそうなものをとりあえず2冊、メモ。
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