2006-05-08 (月)
2006年4月くらいに読んだ本(5冊)
『百鬼夜行—陰 / 京極夏彦』(講談社文庫)
京極夏彦による京極堂シリーズの中の1冊。
なのだけど、これは過去の京極堂シリーズに出てきたあの人やその人の「サイドストーリーズ」。
妖怪の名がタイトルとしてつけられた10編。
シリーズ本編のように京極堂による「憑き物落とし」がされるわけではなく、その短編の主人公たちは…。
『巷説百物語 / 京極夏彦』(角川文庫)
こちらは京極堂シリーズとは別の「妖怪時代小説シリーズ第1弾」(裏表紙より)。
小説、映画等ジャンルに関係なくアタシが基本的に好む王道として「主人公が出所するなりして再び娑婆に戻り、そして昔の“その道のプロ”である仲間(普段は一般の人にまぎれて生活をしている)を集めて、ひと仕事する」というのがあるのだけど、これもそれに近い印象。
そんなん、もちろん好きに決まってる。
『続 巷説百物語 / 京極夏彦』(角川文庫)
先のシリーズの第2弾。
御行の又市、山猫廻しのおぎんらが再び登場。
けど、なにやら…。
何度処刑(斬首)されても生き返る極悪人とは。
「奇想と哀切のあやかし絵巻、第2弾」(裏表紙より)。
『水車館の殺人 / 綾辻行人』(講談社文庫)
前回読んだ『十角館の殺人』に続いて、アタシにとって2冊目の綾辻氏の本。
水車館と呼ばれる建物に住む変人、そこに1年に1度招待される数人のメンバー。
その1年に1度の日を舞台にストーリーが進むのだけど、これがまた「去年の今日」と「今年の今日」の話が交互に出てくる。
去年と今年の話が頭の中で混ざってきちゃって、思わず「ミスリードさせられてたまるか」と肩に力が入る・笑。
しかも、物語の中でしゃべっているのは「私」で、おまけに「私」は仮面をかぶってなさる。
そんなにいっぱい重ねてこないでー、と心の中で叫びながら読了。
『ゲッベルスの贈り物 / 藤岡真』(創元推理文庫)
帯に「作者の罠を見破れますか?」と書いてあり、思わず手に。
帯には続けて「そして遂に、おれは誰に欺かれていたのか気がついた」ですって。
やっぱりそうやって煽られると弱い。
次々に自殺する有名無名を問わない市井の人々。
ブラウン管の中にしか存在しない謎のアイドル「ドミノ」。
最後には当然、「そういうことだったのか!」とか「そうだと思ったよ!」という結末が用意されているのだけど、そういった謎以外の瑣末な部分でもおまけ的に「おおー、だからなのかー」な処理がされていて心地良かった。
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