2006-04-08 (土)
『千里眼』シリーズその後(2冊)
松岡圭祐著『千里眼』シリーズのその後。
『千里眼』『千里眼 ミドリの猿』『千里眼 運命の暗示』(あと『催眠』シリーズ)については、こらない: 『千里眼』に書きました。
『千里眼 メフィストの逆襲 / 松岡圭祐』
「面白いけど面白くない」と言いながら読み続けている『千里眼』シリーズ。
「面白い」というのはつまり「ページをめくらずにいられない、圧倒的なリーダビリティ」と謳われている部分で、「面白くない」というのは、共感を得ることができない、という部分。
「そうそう、そうだそうだ」とか「うん、確かにそうだよねー」という気持ちになかなかなれない。
なのだけど、今回松岡圭祐著作の中で初めて共感を得ることができた。
最後「わるもの」が心情を吐露する場面で、やっと作品に深みが出てきたような気がした。
『千里眼 岬美由紀 / 松岡圭祐』
先の『千里眼 メフィストの逆襲』が上巻で、こちらが下巻。
米同時多発テロと北朝鮮による拉致事件を取り入れての作品なのだけど、旬な話題を取り入れての作風はうならされるというよりも「エンターテイメントだな」という印象の方が強い(アタシにとっては)。
ちなみに、米同時多発テロに関しては当時の話題(話題沸騰の中書き進めたらしい)、北朝鮮による拉致については話題になる少し前、とのこと。
上巻に「メフィストの逆襲」と銘打ってみたり、主人公が『千里眼』という本に関して語るというちょっぴりメタな読者サービスも、通常ならニヤリとするところなのだけど、どうもこの著者にやられると「ほーらほら、ここがニヤリとするところですよ」と言われているようで、素直にニヤリとできない。
この人の著作に関して何か書くと、こんな感じで苦言というか、「俺は何様なんだ」と思うような記述が多くなる。
近親憎悪かしら?
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