こらない

2006-01-09 (月)

アフリカの今

NHKBSドキュメンタリー「アフリカ2005ー何がおきているのかー」を録画しておいたのを見る。
前編、後編に分かれての番組。

中近東のアブラをめぐる争いも酷いけれど、アフリカの惨状には目を覆いたくなる。
正直、あまり知りたくない、とも思う。
絶望しそうになるから。
冷戦後に起こっている内戦の9割がアフリカだという。

北(アラブ系イスラム)と南(アフリカ系キリスト)で争うスーダン。
そんな中、南で石油が。
さっそく南の支援にまわるアメリカ。
これに抵抗する北のアラブ系民兵ジャンジャウィード。
武装したこの民兵が次々に村を遅い、家畜も娘もさらわれ、その村すべての人が殺され、村が焼き払われる。
そしてこの民兵の背後にいるのがスーダン政府だという。
政府ぐるみで今現在行なわれているジェノサイド(虐殺)。
すでにダルフールで800の村が被害にあっている。

国連も動かなかったわけではない。
ジェノサイド条約というものもあるらしい。
けど、常任理事国として出席している国が関係者。
結果「ダルフールの紛争は、部族間の問題だ」ということになったという。

ちなみに、この紛争、2005年1月に一応の和平、となったらしい。
それにより、南から産出される原油利権の半分をアメリカが持つことに。

ナイジェリアでも、年間3兆円のオイルマネーの争奪戦が欧米諸国で繰り広げられている。
ナイジェリア国民の7割は、1日1ドル以下で暮らす最貧困層。

歴代の軍事政権が外国から多額の借り入れを行ない、その返済にあてるはずのオイルマネーは闇へ消えた。
アフリカ最大の借金国。
次々に外国との合弁企業が誕生。
ナイジェリアのオイルの半分はアメリカのもの。
世界の石油消費の1/4はアメリカによるもの。
「アメリカが豊かな暮らしを続けるには、20年で70%増やす必要がある」とアメリカは試算。

エイズ。

南アフリカでは8人に1人がエイズ。
エイズは今や不治ではない。
治療薬がある。
しかし、特許料のため、高くて誰も使えない。
年間40万人がエイズで死亡。

立ちはだかるのは、グローバル経済のルール「知的財産の保護」。
1981年にアメリカで初のエイズ感染者が出てから、10年以上の歳月と研究費をかけカクテル療法というものができた。
年間120万円の治療費がかかる。

インドでこれのコピー薬が登場。
ブラジルやタイでも製造開始。

そんなおり、アメリカはアメリカという世界最大の市場を南アフリカに開放すると。
1,900品目の関税をなくすことを約束。
条件は。
知的財産の保護。
結果、南アフリカは、コピー薬を輸入せず。
現在、南アフリカ最大の貿易国は、アメリカ。
政府の言い分、「経済の成長によって貧困をなくし、エイズの蔓延を抑える」。

2005年7月に開かれたサミットにて。
アフリカへの今後の支援金の増額と、知的財産の保護の徹底。

「グローバル化のルールは強者が決めている」

2001年、「世界人種差別撤廃会議」開催。
最大の焦点は、過去のアフリカへの植民地支配。
奴隷制の清算に、欧米がどう対応するのか。

謝罪と補償を求めるアフリカ諸国に対して、欧米は強く抵抗。
結局、採択された宣言文には、アフリカの主張は盛り込まれず。
この宣言に反対すると、アフリカは、現在受けている援助が冷え込む可能性…。

イギリスのアフリカ担当大臣の弁。
「私たちは、過去に行なわれていた奴隷制は、人道に反する罪だとは考えていません」。

以上、テレビを見ながらとっていたメモより。

具体的に何をしているわけでもないのだけど、世界がなんとかもっとうまくまわるように、と考えてはいる。
そういったアンテナに、世界で行なわれているさまざまな活動や支援の情報がひっかかってくることがある。
けれど、いつもアメリカが邪魔をしている。
京都議定書を持ち出すまでもなく、環境問題でも、貧困問題でも、内戦でも紛争でも。

2006-01-09 (月) UP

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