2005-03-29 (火)
2005-03-26: 「天の言葉 街の宇宙」トークショー
長久手町文化の家「戯曲セミナー」特別公開講座「天の言葉 街の宇宙」トークショー@長久手町文化の家にイッテキマシタ(2005-03-26)。
劇団ジャブジャブサーキット主宰のはせひろいちさんが6〜7年前からこの文化の家という区民センターのような立派な建物の中で戯曲セミナーをやっていて、たまにゲストを迎えたりもしているらしく、そんな流れで今回は少年王者舘主宰の天野さんをゲストに迎えることになったのだけど、ならばせっかくだから無料公開講座にしよう、ということで行なわれた企画のようです。
「誰も聞けなかったアマノテンガイ劇作法90分」という煽ったコピーを付けたにも関わらず、客席は少々さびしかったなあ。
全国から300人くらいは集まってもいいだろうに(本気)。
個人的には新たに知ったことというのはほとんどなかったのだけど、いちおうメモをとっていたので、それをそのまま記しておきます。
はせ作、天野演出のときは、ショートストーリーを31本書いた(はせさんが)。それを天野さんが再構築。例えば「それいゆ」の場合
地上の太陽→原爆→2回→元寇
SOLEIL→LSI-LEO
LSIは集積回路、LEOはライオン、ライオンが2回で松島トモ子。
初めに「わたしは岬のトッタンに立ち」だけがあった。わたしは岬のトッタンに立ち
たちまちソコラはユウカタに
たにソコのぞくここちで
ちでかいた
いたかった
かったばかりのくつはいて
はいても吐いてもプロバリン
リン酸ジヒドロコデインそう、自殺の話なんです。
「自分で考えたとは思ってないんですけど、思ったとして」
「言葉遊びではない 言葉ではない 一文字ずつ」
「こんなこと(芝居)は何かしたいからしてるんだけど、何がしたいか分からない」
台本は頭から書く。それしか出来ない。その時点で最後まで出来ていたことはない。
当然、チラシを作った時点では構想はゼロ、というかマイナス(余計な方向へ考えていたりもする、という意味で)。はせさんの「ループは『今回はこのあたりで使ってやろう』と思って技法として置くのか?」という問いに対して、
「ループを置くわけではない。頭から書いていく中で出てきてしまう。技法として、演出のワザとして、ではない」「日々考えているはずなんだけど、考えていないことがしたい」
「(仕事の依頼等に於いて)『自由に何かやってください』だけはご勘弁。制限は多いほど良い」
「全員がひとり、ひとりが全員、だから全部一緒のはずなのに“個”が出てくる。面白い」
「だから、役名は公演時にそれを演じる人を分けるために書いているだけで、その役名という人(?)はいない」
「それゆえ、会話というものは書いていない。会話はさせていない」
「王者舘の芝居というのは、脳内でひとりがブツブツ言ってるだけ」アタシはいなかった
今はいる
もうすぐいない
「まずゼロにする」「くだんの件」は2人芝居。
2人だと会話をさせなくちゃいけない。
そうだ思い出した、はせさんの芝居を見て「俺も会話を書いてみよう」と思ったんだった。
それで「くだんの件」では会話を書いた。会話はひと会話ずつだからすぐ書ける。
「くだんの件」は1週間くらいで書けた。
王者舘の芝居の場合は、1文字ずつ確定していかなくてはいけない。ユウゴ註)
例えば「こんにちは」「暑いですね」「そうですね」という“会話”の場合、「こんにちは」と「暑いですね」と「そうですね」の3つの構成要素(?)があって、脚本を書いてる本人は3回「ほんとにこれでいいのか」という判断/決断をする。
王者舘の脚本の場合は、仮に上の例を使うと、「こ」の次は「ん」でいいのか、「ん」の次は「に」でいいのか、と1文字ずつに確定作業(ほんとにそれでいいのか不安)が入る。
以上、アタシのメモでした。
ここを読んでる人はそんな間違いをしないと思うけど、例えばこのアタシのメモをまるごと信用したとして「天野さん本人がこういったんだから、正解はこうだ」みたいに思うようなアホウなことのないように。
「正解」というのがそもそもアホウなのだけど、そうじゃなくて、本人が言ったことがいちばん信用できる見解だ、というのがまず成り立たない、というようなこと。
3つ4つの単語からどんどん連想のようなことをしていくと、何か見えてくるというようなことがある、というのを、客席からお題を貰い、天野さんが実演。
これはつまり、天野さんの著作物に付録のようについていたりする、手描き単語マップのようなものなのだけど、あれはほんとに落書きでしかなく、設計図やネタ元ではない、と。
ちなみに、客席にこの連想単語マップが何種類か配られた(あとで回収)のだけど、それに対して受講生から
「戯曲家の方はみなさんこういうことをして書いてらっしゃるんですか?」
という質問が・笑。
「僕の知る限りではいません」とはせさん。
ほぼ90分経って、トークショーは終了。
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