2005-02-20 (日)
江東区の居酒屋と「ね」の話
とあるライブの後に入った町の飲み屋さん。
おばちゃんひとりで切り盛りしている風のその古いお店は、おばちゃんの手による「おふくろの味」もおいしくて、「おばちゃん、コーラある?」という要望にも「ないけど、なに、コーラ欲しいの? 隣りで買ってこようか?」なんていう良い雰囲気のお店。
なのだけど、店中に「ね」の匂いが充満していて久しぶりに吐きそうになってしまった。
入る時、がらがらーっとドアを開けただけですごくて、思わず後ろにのけぞってしまった。
いきなりだけど、「認知」系の勉強をしている必ず出てくるのがこの絵で、何も知らないうちはこれが何の絵だかさっぱり分からない。
けど、じっと見ているうちにこの絵の中にダルメシアンが描かれていることに気付く。
そして気付いたが最後、今度は気付く前の状態には戻れない。
その昔アタシは害虫(害獣)駆除の会社で2年間働いていて、主に「ね」とか「ご」とかを駆除していた。
その時に身に付いてしまった能力のおかげで、「ね」とか「ご」のいる店はすぐ分かってしまう。
その「分かってしまう」理由のひとつは匂いなのだけど、もうひとつは足跡と糞の跡。
これがつまり上記のダルメシアンみたいなもので、それと知らなければそれが「ね」の足跡だとは気付かない。
「ご」の糞の跡も、たぶん分からないと思う。
けど、知ってしまったが最後、なのである。
匂いも同様で、それと知らなければ「なんかこの店、ムッとしてるね」くらいで、具体的に何の匂いかは分からないだろう。
で、この店、すごかった。
壁中に「ね」の足跡があって、どこかに巣があるどころじゃなく、店全体が巣、「ね」のテーマパーク、本物のディズニーランドなのだった。
この写真の赤丸の中に黒ずんでいる部分があるのだけど、これも「ね」による汚れ。
これは足跡じゃなくて、体の汚れが壁についたもの。
こんなところ歩けるわけないと思うかも知れないけど、これ、写真では分かりにくいが、壁と天井の接線に沿って、テレビのアンテナケーブルが這わせてあるのである。
そのケーブルをつたって「ね」が行き来していて、ちょうど赤丸のところがケーブルがやっかいなことになっていて、「ね」がそこを通る時だけ壁に体がこすれるようになっているのだった。
ちなみに、名古屋にいた頃「ね」は仕事でしか見たことがなかった。
臆病な「ね」は警戒心がかなり強く、そう簡単にご対面はできない。
その駆除はなかなかの頭脳戦なのである。
最近は薬屋などで捕獲用の粘着シートが売られているけど、そんなものにひっかかるような相手ではないのだ。
ところが東京に来たら、そこいら中にいてびっくりした。
店で飯食ってても出てくるし、地下鉄のホームも走ってるし、挙げ句道ばたを歩いていたりする。
以前テレビの夕方のニュース番組か何かで「増え続ける『ね』」みたいな特集で、その粘着シートでの捕獲の仕方をやっていた。
一晩で数匹捕獲していた。
あり得ない。
東京の「ね」は、かなりアホだ。
それとも、アタシがその職を離れてから、アホになったのか。
なお、文中の「ね」は全て「ネコ」のことです(当然「ご」は「ゴリラ」のことです)。
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