2004-10-27 (水)
宝箱をあける
先日、お芝居の手伝いをしていたら耳にしたのが「宝箱をあける」。
「今日、また上演中に宝箱あけちゃった人いたね」
と。
つまり、携帯電話(の液晶画面)。
上演前の「電源をお切りください」の注意を無視した観客が、上演中に時間の確認でもしたかったのか、折りたたみ式の携帯電話のパカッと開ける。
すると、たぶん本人は気付いていないのだろうけど、その携帯電話を覗きこむ顔が液晶画面の光に照らされて、客席の暗闇の中に浮かび上がる。
それはもう鮮やかに。
これを称して「宝箱をあけちゃった」と。
以前、本多劇場(下北沢)で芝居を見た際、上演開始前の客電がついている時、隣りにタレントさんが座った。
その後、いつも通りの「電源をお切りください」アナウンスの後、開演を待っていると、そのタレントさんの携帯電話がかなりの音量で鳴り始めた。
すごい注目を浴びてしまっていて、「うわーお気の毒に…」と思っていたら、やおら立ち上がり、寸劇が開始された。
つまり、携帯電話の電源を絶対に切れ!というパフォーマンス。
シベリア少女鉄道の芝居では、開演前に「バーチャルデート」のタイトルでビデオが上映されていて、これも「上演中はあれほど電源を切ってって言ったのに!」な内容。
他にも、開演前に主宰者自らが出てきて、「マナーモードとかじゃなくて、お願いですから電源を切ってください」と頭を下げていたことも。
時間を切り刻んでコラージュしてしまう少年王者舘の今回の公演では、
「音の鳴るもの光るものの電源をお切りください。それではまもなく開演です」
のアナウンスで「そうだ電源切らなきゃ」と思う間もなく、
「まもなく開演です」の「まも…」で客席の電気が落ち、いきなりラストシーンのような芝居がスタート。
かと思うとそのすぐ数秒後にまた客電が付き、再度「本日は…」のアナウンス。
かと思ったらまたすぐにシーンが飛んで…が何度か繰り返され、挙げ句ステージには大きな「終」の文字。
で、なんでしたっけ。
みなさまにおかれましては、上演中に宝箱をお開けになることのなきよう、とかそんな感じのシメで。
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