2004-06-23 (水)
『平太郎化物日記』関連
来月2004年7月に大阪と名古屋にて、脚本・演出:天野天街による糸操り人形芝居『平太郎化物日記』が上演されます。
詳細→少年王者舘ノ函:ITOプロジェクト企画 糸あやつり人形芝居『平太郎化物日記』
この平太郎化物日記の元、『稲生物怪録』を題材にしたものはいろいろあるようで、順に読んでみようかしらと思ったら、昨年2003年9月にアンソロジーが組まれていました。
本『稲生モノノケ大全 陰之巻』
データ
- 編集:東雅夫
- 毎日新聞社〔2003-09〕5,250円
目次
- 現代語訳
- 三次実録物語(京極夏彦)
- 平田本 稲生物怪録(須永朝彦)
- 鞍馬天狗(別役実)
- 講談
- 稲生武太夫(神田伯龍)
- 小説戯曲紀行
- 平太郎化物日記(巌谷小波)
- 草迷宮(泉鏡花)
- 魔王物語(田中貢太郎)
- 懐かしの七月(稲垣足穂)
- 百鬼夜行(柄沢/斉)
- 漫画
- 八百八だぬき(杉浦茂)
- 資料集原典
- 芸州引馬山妖怪の事(根岸鎮衛)
- 想山著聞奇集(抄)(三好想山) ほか
上記の本について書かれたEP というページによると、
- 冒頭にカラーで「稲生物怪録絵巻」
- 杉浦茂の漫画は100ページ近く収録
- 稲生物怪録って何?という人には、季刊『怪』(第5号)(特集:日本異界探偵そのニ 稲生物怪録と化け物槌)がおすすめ
とありました。
あと、今回の公演の後援に名前の挙がっている「物怪プロジェクト三次」って何だろう?と思っていたら、サイトがありました(けど公演に関する記述はなさそうだなあ)。
→物怪プロジェクト三次
そこの物怪プロジェクト三次:紹介というページによると、
広島県の北東に位置する人口4万人弱の小都市、三次市には江戸時代中頃(寛延二年-1749年-)より、ある物語が伝わっています。
その名は「稲生物怪物語」。三次藩藩士の子供で16歳の稲生平太郎(後に武太夫と改名)という少年が自分の屋敷に30日の間出現し続けた妖怪をものともせず、ことごとく退けたという剛勇譚です。この物語はその内容の奇抜さから国学者の平田篤胤をはじめ、泉鏡花、折口信夫などの文人達を魅了しました。また、最近では妖怪漫画の大家、水木しげる氏もこの物語を題材にした漫画を描いておられます。このように多くの作家や、研究者達に影響を与えた「稲生物怪物語」ですが、この物語が他の妖怪物語と大きく違うところは主人公の稲生平太郎が実在の人物であり、子孫の方が現在でも広島市に在住されているということです。
とのこと。
もうひとつ、関連ページ。
→稲生平太郎只今参上仕る
さきほどから出てきている「三次」は「みよし」と読むようですが、上記ページ内の怪異譚の舞台・三次によると、
三次の地名は上次・播次・下次の三つの次からきているともいわれるが、次は「すき」と読まれ、「よし」と発音するようになった理由はよく分かっていない(「倭名抄」)。
ということだそうです。
ちなみに人形芝居の『平太郎化物日記』は、照明/音響/映像/作曲に王者舘ゆかりの強力なメンバーが揃っているようです。
ナレーションで、知久寿焼さんの名前もクレジットされています。
楽しみ。
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