こらない

2004-06-07 (月)

2004-06-06:友部正人ライブと『火車』

日曜日。

起きたらまた頭痛。
梅雨?
はだかさんの素敵なステージが今日の昼すぎにあったはずなのだけど、行けず。

20040606_182431.jpg夕方復活し、吉祥寺スタパへ。
友部正人さんのライブ。
CD『何かを思いつくのを待っている』の発売記念で、レコーディングメンバーであるロケット・マツさん、武川雅寛さん、横澤龍太郎さんがサポート。

家と職場の往復の自転車では、iPod(という携帯プレーヤー)に入れた音楽を自動でシャッフルされた状態で聴いていることが多いのだけど、この2ヶ月くらい、友部さんの曲が流れるたびに自転車のスピードを緩め、詩と曲に集中することが多い。
そんなわけで、久しぶりの生友部さんを聴くのがちょっと楽しみだった。

開演前、前に座っている人が折り込みチラシをパラパラめくっているのを何とはなしにのぞいていると、少年王者舘の次回公演「こくう物語」の本チラシらしきものが目に入る。
「え?友部さんのライブに王者舘のチラシが?」
と自分のチラシ束を確かめてみたところ、ない。
どうやら、そのチラシ束を見ている人は、ここへ来る前に芝居を見てきたらしく、その時に貰ってきたチラシ束らしい。
「それちょうだい」と言いそうになった。

友部さんは風邪らしく、「僕が咳をしたら皆さんもするように」と。
終盤、鼻をすすりながら、「自分の歌で感涙にむせび泣いていると思われるのはイヤなので、鼻をかみます」とも。
演奏した曲は、発売されたアルバムからのものがほとんどだった(たぶん)のだけど、会場に「一本道」のシングルを録音した時の関係者がいる、とのことで「一本道」を。
「中央線を空を飛んで、あの子の胸に突き刺され」でおなじみの「一本道」、そして矢野顕子さんがカバーして歌っているという「愛について」、「このふたつだけはどこへ行っても知られているんだよな」と友部さん。

終演後、マツさんと少々お話。
マツさんから頼まれていることと、マツさんに頼もうとしていること。

帰宅後、「依頼したい!憧れの建築家50人の住宅作品展」なるものがINAXギャラリーで開催されていたのを思い出す。
今日までだった…。

昨日今日で、本『火車 / 宮部みゆき』読了。
気軽なクレジットカード使用による多重債務、自己破産、が題材。
刊行自体が10年くらい前で、物語の設定もそれくらいの時代。
そのため、やはり古く感じるのだけど、それは「今はこんなことないもんなあ」という古さではなく、「今ではそんなこと珍しくもない」というものであって、それがとてもやるせない。
今ではそんなこと珍しくもない、ということはたぶんマスコミでも目新しさがないので「気軽なクレジット決済やキャッシングは危険」なんて騒いだりしていないと思う(想像)。
というか、これだけテレビCMや雑誌広告、街の看板なんかに消費者金融のものがあふれているということは、マスコミが「気をつけろ」なんて発信することは不可能か。
ということは、この本の中に出てくる登場人物たちのような借金の自転車操業に陥ってしまう人がこの本の刊行時より増えてるんだろうなあ。
やるせない。
…という感想がまず第一に来るというのは、やはり内容が少し教科書っぽく感じたからかな。
たぶんそれは刊行から10年以上経った今読んでいるからそう思うわけで、ということは宮部みゆきの作品が好きだと言うのなら、今出ている本をちゃんと今読まなきゃなあ。

ちなみに、自転車操業というのは、蓄えがなく、こっちで入ったお金をそのままこっちへ支払って、というサイクルのことを言うのだと思っていたのだけど、「自転車だけに“止まったら倒れる”」というのがこの言葉のキモだというのを最近知って、「ああ、そういうことだったのか」と今さらヒザを打ちました。

不動産話は一転、話の原点である「とりあえず今より広い賃貸へ引っ越そう」という選択肢が、再度サフさんから提示された。
うむ、なるほど。

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