こらない

2004-03-31 (水)

キューバ本

  • 築地書館〔2002-08〕2,940円

以下は、裏表紙に書かれた要約。

有機農業、自転車、風車、太陽電池、自然医療…
エコロジストたちが長年、夢見てきたユートピアが、現実のものとして、国家規模でカリブ海に突如として出現した。
ソ連圏の崩壊とアメリカの経済封鎖により、食糧、石油、医薬品が途絶する中で、彼らが選択したのは、環境と調和した社会への変身だった。
日本の不況を上回る未曾有の経済崩壊の中で、エネルギー・環境・食糧・教育・医療問題を、彼らはどう切り抜けていったのか。
貧しくとも陽気に、助け合いながら、国家存亡の危機へ挑戦していった人びとの歩みから見えてきたのは、「自給する都市」というもう一つの未来絵図だった。
キューバから見えてくるこの未来図は、私たちにもきっと、大きなヒントと元気を与えてくれるにちがいない。

続編→本『1000万人が反グローバリズムで自給・自立できるわけ—スローライフ大国キューバ・リポート / 吉田太郎』

今読んでいる本。
半分を越えたあたり。
これがまた、たいそう面白い。
以下に書くのは、この本に書かれたことを鵜呑みにしたとして、という前提で(キューバやカストロについてこの本に書かれていること以外を全く知らないので)。

キューバと聞いて浮かべるイメージは当然人それぞれだろうけど、アタシの貧困な知識では「サルサ?(=ちょっと陽気?)」「カストロ(って怖い人?独裁者?)」なくらい。

本によると、ソ連崩壊前のキューバは、経済的にも潤った、かなり裕福な国だったっぽい。
農薬や機械を使った大農園でばりばりの近代農業が行われ、ソ連からも膨大な物資が輸入されていた、と。
食べ物の自給率も低く、現在の日本以下かも知れないくらい輸入に頼っていて、エネルギー(石油とか)も同じく。

そんな時にソ連がこけ、時を同じくしてアメリカからの経済封鎖がめちゃくちゃに厳しくなる。

石油がないから電気が付かない、車が動かない、どころではなく、石けんやトイレットペーパーも不足、農薬がないから作物も作れないし、部品を輸入できないから機械も直せない。
各種薬も抗生物質もない。

「とにかく食わなきゃ」「ひとりの餓死者も出すものか」ととった手段が都市での農業。
首都ハバナの人口は200万人以上(名古屋市の人口と同じくらい)で、広さは山手線の内部くらいらしいのだけど、とにかくありとあらゆるところで栽培を開始したらしい。
しかも。
この本によれば、キューバの人たちはそれまで野菜をまったく採らない食生活だったらしい(あと、自転車に乗れる人もほとんどいなかったみたい)。

というのが、本のタイトルにつながるあたりの流れなのだけど、それ以外にもいろいろな制度が壊滅し、復活し、改良されていく様がたくさんかかれています。

ちょっとね、読み進むと、だんだん腹がたってくるほどです。
「そんなうまくいくはずない! 悪いこと考える人はいないのか!」と叫びたくなります。
とりあえず、この目で見てみたいです、キューバ。

2004-03-31 (水) UP

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